女子7人制ラグビーチームのアザレア・セブンに、異色の銀行員選手が誕生した。今春入団のプロップ田村満孔(みく、24)は先月、チームの紹介により静岡銀行へスポーツ&アート採用で入行。日中は掛川支店で研修を受け、仕事を覚えている。週4日のグラウンド練習日は、勤務後に汗を流す。接客業務に影響しないよう「けがには気をつけています」と話した。

スポーツ経歴も異彩だ。大阪体育大まで陸上の砲丸投げ一筋だった。全国大会で実績を残し、卒業時に「やりきった」と区切りをつけた。次のスポーツを探す中、大学の授業で興味を抱いたラグビーを思い出し、昨春に地元のクラブチーム・京都ジョイナスに入団した。しかし、コロナ禍もあり、練習に物足りなさを感じた。「もっと本格的にやりたい」。半年前に母校の大阪体育大で選手を探していた、アザレアの野毛伸子チームコーディネーター(34)に連絡を取った。

目標にするのは当たり負けしない選手だ。「タックルを受けても倒れず、ボールを前へ運べるようになりたい」。小池善行監督(42)から「芯の強さがある。パワフルなプレーを見せてほしい」と期待される。砲丸投げで鍛えた体を強みに、レギュラーの座をつかみとる。【倉橋徹也】

◆田村満孔(たむら・みく)1997年(平9)5月6日、京都府木津川市生まれ。泉川中-花園高-大阪体育大。中学から大学まで陸上部に所属。砲丸投げで、15年全国高校総体の女子4位、和歌山国体の少年女子共通2位、19年茨城国体の成年女子では自己記録14・96メートルで5位。163センチ。右利き。家族は両親と姉、弟。血液型O。